システムエンジニアとしての逆境に対処すべく最近読んでいる3冊の本

システムエンジニアをしていると、技術にあまり関心がない上司や、システムをあまり理解していないユーザ要求とかで、エンジニアには理解し難い局面に遭遇することがある。その逆境に対処するための心の持ち方について書いてみる。

結局、理想通りには行かないので、その状況でベストを尽くし、次につなげるかかなと思う。 多少不満があるからといって、そのせいにしてパフォーマンスを落とすのは得策ではない。 少し迷った時に、最近これらの本を読んでいる。

そもそも、今の会社に勤めているのは自分の選択の結果であって、不満があるなら、より自分に合っている会社に転職すると良い。そのために転職できるだけの実力を身につければいい。だが、仕事の能力は、主に仕事を通じて身に付くので、現在置かれている状況で高いパフォーマンスを発揮する必要がある。

レジリエンスの鍛え方

国内外で企業の要職を担うビジネスリーダーを排出し続けている外資系企業P&Gに16年勤めた経験に基づく著作。 成功の鍵は責任にあり、著者が見てきた真のリーダーは責任を回避しなかった。そして、失敗してもすぐに立ち直り次の成功へ結びつける忍耐強さを持っていた。 この本からは精神的な打たれ強さが学べる。この本を読んでからは、へこんでしまっても問題ないと考えられるようになったので、挑戦することのハードルが少し下がった。

本は全7章で構成されている。ハイライトは以下の通り。

  • ネガティブな感情は繰り返され悪循環となることで問題となる。運動形、音楽系、呼吸系、筆記系の気晴らしが有効。 夢中に没我没頭するフロー体験もネガティブ感情の悪循環を断ち切る事に役立つ。

  • 思い込みとは過去の体験により刷り込まれた信念や価値観。ストレスやトラブルからの刺激がきっかけで感情や行動につながる。 自分の思い込みのタイプを自覚し、対処法を選ぶ事がネガティブ感情にコントロールされない

  • ある目標や行動に対して自分ならできると感じる度合いの自己効力感は困難から立ち直ろうとする時に必要で、この自己効力感は形成することが出来る。

  • 自分ならではの強みを把握し、新しい仕事に活かす事で高い充実感を得られる。 それらの強みは逆境を乗り越えるためにも役立つ。強みを自己認識するためのオンラインツールも存在する。

  • 家族・友人・同僚・恩師など自分にとって大切と感じられる人たちは精神的に落ち込み折れそうになった心をささえ、 早期に立ち上がるために必要な叱咤激励をしてくれるありがたい存在。 有事の逆境が起きる前に自分にとって大切な5人を選び、サポーターとしてリストアップしておく。

  • 感謝の感情は幸福度が高まるだけではなく、ストレス低減し、抑うつや不安の感情が下がる。 逆境を体験したつらい時期の立ち直り方法として有効。

  • 逆境体験には自分を成長させ、次の困難を乗り越えるための価値ある意味や知恵が隠されている。 その逆境物語を俯瞰して意味を追求することが有効である。

人生のどんな局面でも前向きになれる10の法則

キース・キャメロン・スミスという、一代で中古家具販売から、不動産業、まで事業を拡大させた実業家による著作。 著者によると、不平不満は成功の最大の敵で、成功する人は前向きな生き方をしている。 本では10の法則を紹介しているが、特に自分がいいなと思ったのは以下の4つ。

  • 責任をもつ - どんな結果も自分の責任と心得ている
  • 場を明るくする - 人生の明るい面に目を向けた話し方で、場を明るくする
  • 人生の旅路を楽しむ - 目的地に着いた瞬間だけでなく、旅路そのものも多いに楽しめる。
  • 物事の良い面を引き出す - ピンチのときにもいい面を探して、チャンスに変えられる。

特に仕事はチームで行うので、ネガティブな人がいると、チーム全体の雰囲気が悪くなる。 逆に、一人でもポジティブな人がいると救いになる気がする。自分で選んだ環境なのだから、せめて気持ちは前向きでいたい。

要領よく出世する人

元・外資系人事部長という肩書きを持つ著者による著作。タイトルに出世とあるが、出世に限らず、仕事を進める上での知恵となると思う。 本の中で、要領よく出世する人は要領の悪い人と比べて圧倒的に幸せに働いていると書かれている通り、会社という組織の中で仕事を進める中で起き得る事象に対して、管理する側の視点も交え、現実的に対処する方法が書かれている 最近一番読んでいる本で、今自分が持っている不満は、どこでもあり得る事で、その不満に対し、ストレス無く対処するヒントを得られる。

全4章、46項目がある。自分がいいなと思う項目をざっくり挙げても、たくさんあった。

  • 実力だけでは出世できないと知っている
  • つねに中庸を意識している
  • 足るを知っている
  • 不本意な仕事こそ力を入れている
  • 上司の弱みを探し、フォローしている
  • 冷静に確率を見ている
  • まずは人の話を聞いている
  • 自分の強みと役割を熟知している
  • 競争社会のよさを知っている
  • 周りは自分を理解してくれないことを知っている
  • 若い世代といかに恊働するかを考えている
  • 会社はファシズムだと知っている
  • 明快でないキャリアプランをもっている

そもそも、要領が良いとは物事の処理や立ち回りがうまいという意味で、 この本を読む事で、それぞれの項目の意味について知る事ができる。